2008年10月31日金曜日

猫の手

猫ちゃんは本当はかなり何でも自分でできるんだけど、めんどくさいから人にやらせているのかも知れないのだ。タイトルクリックしてね。

お腹が空いているというよりも、「見て見て、私(オレか?)も出来るも~ん」ってかんじ?

2008年10月30日木曜日

甘苦上海 (29)(30)

リンパ線を知り尽くして上海エステ業界で体を張って商売している紅子さん、京君と別れて家に帰ってからお風呂に入いり、昔の思い出やら商売に思いをはせている。(水戸黄門の由美かおる・・・)。紅子さんの長湯に付き合ってたら土曜日から水曜日までかかった。昨日やっとバスローブをはおったところで携帯電話が鳴る。

29
(前略)
「もう眠っちゃいましたか?」 京だった。頭の中のいくつもの数字が消えた。「・・・いまバスタブから出たところ」「じゃあ、裸なんだ」「はい、そうですよ」これは嘘。(何を期待してるのだ!)でも裸に近い。「これから、紅子さんのところへ押しかけて行こうかと思って・・・」
電話の声の背景に、軽い音楽とざわめきが漂っている。若くて甘やかな匂いまでも。(これはいい表現だなぁ。こういうことある、ある。ワカが公園から電話してくると、若くて砂場の匂いがしてくることがある)「わたし、お風呂から出たばかりなのよ」「いいじゃないですか」「よくないよ。毎日の手順通りに洗顔だってすませちゃったし」
押しかけてくる、どういう意味だろう。(変な期待してないわよね、紅子さん)けれど京ならやりかねない。来られたら困るのか、というと、それもよいような気がしてきたが…(ほらやっぱり期待してる~)いややはり困る。(そうなのよ、一度鎧を脱ぐとまたつけるのが大変なのよ、ここはちゃんと断りなさい、上に立つのよ!)
 
30
「実はいま、彼女と一緒なの、豚の店で」(ほら、だから言ったこっちゃない、先にびしっといっておかないから~。)あっけらかんとした京の声に途方に暮れたが、すぐ気持ちを取り直した。今日は相手の気持ちを斟酌しない、というより平気で引っ掻く。それも無邪気な笑顔でだ。
(紅子、読者に豚の店の説明を始める 中略)
「彼女と一緒って?」 「ほら、前に言ったでしょ、周敏、アナベル・リーの」(あれぇ?前っていうか、今日だったんじゃなかったっけ?それともほんとに5日間くらいお風呂に入ってたのか、私、どこか読み飛ばしちゃったかしら)
(中略)
「デートなんでしょ?どうして電話なんかしてくるのよ」(中略)「押しかけて来て欲しくなかったら、こっちに出てきませんか?お化粧なんかしなくても、紅子さんは奇麗です」(いや・・、それは・・・ちょっと・・)酔っているのかもしれないが、傍らの周敏の反応が見えない。(携帯、テレビ電話に変えたら?あ、そしたらこっちも見えちゃうか・・・)「京さん、私本気で怒ったら怖いよ。(コワそう)わたしのことタカをくくると、どうなってもしらないわよ」ここは一番、怒っておいたほうがいいだろう。(今頃・・・、遅い、遅すぎる。)

でも、行っちゃうんだろうな、紅子さん・・・。

2008年10月28日火曜日

噛み合わない会話

TV「~~~これで、誰でもアルキメデス!」
ワカ「アルキメって誰?」
私「アルキメデス?」
ワカ「ア・ル・キ・メ!」
私「アルキメデス?」
ワカ「だから、アルキメって。アルキメってどんな人?」
私「???・・・。(耳が遠くなったのかなぁ、アルキメデスのことだろうなと思いながら)ギリシャの数学者。」

あとで考えると、「アルキメです。」と思っていたのじゃぁ・・・。このまま思い込ませておいても面白いけど、かわいそうだから訂正してやらなくちゃ。

2008年10月27日月曜日

リサイクリング

10月からゴミの収集方法が変わった。
特に資源ごみ、今まで燃えないゴミだったプラスチック容器・包装、新聞雑誌以外の古紙が資源ごみとして収集されることになった。なぜプラマークが付いているのに燃えないゴミなのか、といぶかっていたが、やっとこれからリサイクリングされるのか、とにわかに張り切る私。

さて分類してみてわかったこと、我が家の燃えないゴミ95%がリサイクルプラスチック容器だったのだ。今までバンバン捨てていたのでよく見ていなかったけど、あっちもこっちもプラマークだらけ。イチゴなんかが入っている透明のプラスチック容器には、型押ししただけなのでよーく目をこらさないと見逃す。野菜や果物を包んだプラスチックの袋を止めている1センチもないような簡易クリップにもプラマーク。フランスパンの紙袋の窓にはプラマーク、袋は紙マーク、破らないように静かにひきはがす。しつこいからとことんやる。

こうなってくると、プラマークを探すのが日々の日課、いやそれどころか日々の楽しみに。はじめはめんどくさがっていたオットまで一緒にプラマーク探し。ゴミを捨てるにも目的意識がでるわけで、なんだか毎日が明るくなったよな・・・。これが茂木さん言うところの、身近で味わえる達成感、ドーパミン放出というものなのかしらん。安上がりでいいわ~。

それにしてもプラマーク探し以前に、どうにかならないのかしら、この過剰包装。

2008年10月25日土曜日

今週の”だんだん”

だんだん見慣れてきた。 登場人物に意地悪な人がいないし、京都弁を聞くと安らぐのだ。

めぐみが看護婦になった暁には「病気になって、めぐみの病院にいくから。」って楽しみにしている、こうたくん。でもめぐみは短時間で介護福祉士に進路変更。めぐみの職場でお世話になるには、病気になるよりも時間がかかりそうだ。

そして今日のめぐみ独唱”守ってあげたい”。鳥肌が立った、別の意味で。あれが「歌をあきらめます宣言」でよかった。もし淡谷のりこさんやサイモンがその場にいたら、責任者を呼べ!と言われ、石橋さんもろとも撃沈。 ザ・ピーナッツも、リンリン・ランランも、こまどり姉妹も、ジュンとねねも怒っちゃうかも。

おかあちゃん(よしこさん)は女の株を上げた。私もいざというときは、こういう懐のふか~い女になりたい。それにしてもお父ちゃんまきこさんに「覚悟はできているのか」って。引導を渡すほどたいへんな娘なのか、めぐみは・・・。

2008年10月24日金曜日

EATALY

九月末に代官山にオープンしたイタリアの食品スーパー。EATALYがある場所は低層の建物がパティオを囲んでいる。以前はブティックやインテリアショップが入っていたのだけれど、今はその大半がイータリー。パティオでは野菜が屋台に盛られ、カフェも出ている、店内に入る前から楽しいのだ。

思っていたよりも店内は広く、たくさんの食品が並んでいる(コーフン!)。パスタは約80種、すっきりとシンプルな包装で、中身のパスタがそのままパッケージのデザインになる。カシコイ。
チーズ、ソーセージ、ハム類はドンドンド~ンと塊が置かれたりぶら下がってたりしている。当然のごとくにおいも強い、が、なんというかプロフェッショナルのにおいなのだな、これが。ワイン、オリーブオイル、香辛料などは容器を見るだけで職人気質を感じる、趣味がいいし、統一感がある。それもそのはず、独立の小さな生産者の商品を集めて、イーターリーブランドとして販売しているそうだ。作る人は良いものを生産することに集中すれば良い。どうりで大量生産のにおいを感じないわけだ。

パンはさすが日本で焼いているが、これが絶品。小麦の香ばしさがしっかりと口に残り、噛めば噛むほど味が出る。パンを美味しく食べようとチーズとサラミを買った。チーズは実に新鮮、サラミは濃いにおいと味がタフな味を醸し出している。

お値段に関しては割高感は否めないけれど、外食するよりは安いし、何よりもおいしい。またひとつ楽しみが増えた。

イータリージャパンはタイトルをクリック

2008年10月23日木曜日

甘苦上海(23)

紅子さんと京くんはお酒を飲んだあと主席公館酒店の最上階にあるオープンテラスのフレンチに行く。紅子さんは京くんの恋人(周敏さん)についていろいろと聞き出したりする。食事が終って2人は小路の暗がりを歩き始めた。

(前略)体は暑いが、汗は退いている。バーで飲んだジンフィーズやワインが効いていた。こういうときは心にも無い言葉が出てくる。「周敏さんと、一緒に暮らせばいいのに」返事のかわりに、手を握られた。(・・・そうかなぁ・・、話聞いてないんじゃないかなぁ)そのまま歩く。京は背が高いので、私はぶら下がるような不安定な姿勢だ。(ン~、ぶら下がるような姿勢?ちなみに236cmと168cmでもぶら下がるようにはならない。クリックしてみてね)
 (中略)暗い場所では、私も幼い気分になれる。「ねえ、キスしようよ」と私はつないだ手をぶらぶらさせながら言う。(手のぶらぶらは幼いかもしれないが、言ってることはお・や・じ)「なんで?どうして?」(しかもこんな返事あるか??)「したくなったから」「じゃ、しよう」(確かに会話は幼い・・・・)
 (中略)京の唇は固い。そこから溶けて出入りするものがない。たぶん私の唇も固くなっているのだろう。(なんだか痛そうなキスだ)周敏は、どんな唇としているのだろうと考える。カラダを離して私は言った。「全然、良くないよ、京さんのキス」「愛がこもってないからなあ」「晩御飯御馳走になっといて、キスして、愛がこもってないからなあ・・・それでも、お金を出して欲しい」「だめ?」(ダメ)「出しますよ、12万元ぐらい」(今時点1元14.26円だから、え、え、えッ1,711,200円!!)「ありがとう、紅子さん、大好きだ!」(大好きだ、ってほかに言い方ないのか)京は再び私を抱きしめた。私の体は京の薄い胸に包み込まれる。(背が高いんだよね、京君。しゃがんだか?いや、そんなことはどうでもよろしい。ロマンチックに浸っている場合ではないのだ)「これだけで12万元は高いけれどね!」(高い!高い!高すぎるっ!)見当違いの言葉しか出てこないのは、なぜだろう。(見当違いじゃなくって、計算違いしてないか?)そんな言葉とは遠い気分なんですがね。(つづく)

ああ、紅子さん、もちっと面接してからのほうがいいと思うのだけど・・・。なんだかほっとけない、紅子さん。

2008年10月21日火曜日

プロフェッショナル 100回記念

あ~面白かった。茂木健一郎さんが100人のプロフェッショナルの仕事を分析して、いかに活用するかをレクチャー。

よいアイディアを得る
寝ること。いや~、それなら大丈夫、任せて、と喜んだものの、ただ寝ただけじゃだめで、とことん考えてから、寝ることが大事。空っぽの頭でのらりくらりしながら寝てもだめなのか・・・。そうしてとことん考えて集められた情報は、寝ている間に整理整頓され、目覚めたときはひらめきやすいらしい。しかし、ひらめきも場所を選ぶとか。外の情報から遮断されている環境がいいのだって。飛行機のなか、タクシーのなか、勿論トイレとかお風呂とかもね。

プレッシャー克服法
笑う。これは意外にも簡単、しかもポジティブになれる。よし、やるぞ、という気分になってしまった。順番としては1.脳がうれしくてたのしい 2.笑う、あるけれども、実験で、1.口角を上げて笑った表情を作る 2.脳が影響を受け考え方がよりポジティブになる、ことも可能ということがわかった。こうして無理矢理でも笑って、脳をポジティブにすると、前頭葉が適切に働き目の前の仕事に集中できるらしい。 苦しいときは、「ヘンになっちゃった」と思われない程度に笑ってみよう。

決まりごと。自分の意思で集中モードにはいるのは、はなかなか至難の技らしい。そんなときプロフェッショナルたちは決まりごと通りに体を動かすとスイッチが入るそうだ。それは仕事前の儀式のようなもので別に難しいことをするわけではないが、毎回同じ決まりことを繰り返すことによって、体が集中モードに入るようにスイッチを入れてくれるそうなのだ。ふーむ、いろいろと決まったしきたりが世の中にあるのは、集中モードに入るための大切な準備だったのだな。

モチベーションをアップ
憧れの人を持つ。よい振る舞いを見ると、ミラーニューロンなるものが働き、自分も同じように振舞うようになるそうだ。近くに憧れの人が見つからなければ、どんなに気に入らない人でもその人のよいところを見つけるようにする。こうしてミラーニューロンを活性化させよう。

小さな成功を大切にする。どんなに小さな課題であっても成功すれば、脳のなかでドーパミンが出てカイカンを得る。苦しくてもやり遂げればカイカンが得られると記憶されれば、小さな成功体験がやる気持続につながるとのこと。日々、努力、目標は低く、夢は大きく。

やる気、モチベーションと言われるものは、それぞれの個性によって表現や手段は違っても、プロフェッショナルたちは同じような脳の使い方をして達成している。ある人はスポーツで、ある人は医療行為で、ある人は農業で。表現や成功はみんなそれぞれのやり方でいい。みんな違って、みんないい。

2008年10月20日月曜日

ジュラシックパーク

ケーブルでジュラシック・パークとロスト・ワールド鑑賞。あれじゃ恐竜も怒りますわ、と登場人物-特にジュラシックのガキンチョ2人-にイライラするのがわかっていても最後まで見てしまう。そこがスピルバーグのなせる技。

映画を見た翌日、ワカ。
「昨日の”サファリ・パーク”面白かったね!」
当たらずと言えとも遠からず、ってとこかな。

そして、私。
ワカ「ね、ね、あの恐竜なんだっけ。」
私「コドモドラゴン。」
オット「いや、ステゴザウルスだ。AAAND、KODOMOではなくKOMODO。」
・・・・だって、ステゴザウルスって聞くと、一人で街角にぽつねんとしている恐竜を思い浮かべてしまうんだもん。

2008年10月18日土曜日

赤坂由香利

ジャズヴォーカリストの赤坂由香利さん、初めていった彼女のコンサートで「'Round Midnight」にすっかり圧倒され、これまで4回ほどライブに足を運んだ。
歌の間に入る語りはオノ・ヨーコさんのような高くて柔らかい声なのに、歌声は低くてハスキー。そしてピアノも素晴らしい。
日本語のアクセントが全くない英語でゆっくりと歌詞を捕らえて、伸びやかにそしてノスタルジックに歌い上げる。ジャズだけでなく、ボサノバやポップスもOK。ちょっと間違えばダサくなってしまう、カーペンターズやライオネル・リッチーの曲をなんとも粋に歌いこなしてしまうのには脱帽。

いろんな方と協演されているけれど、日本の”ヨーヨー・まぁまぁ”(と赤坂さんが言っていた)こと、古野光昭さん(チェロ/Bass)とのデュオがお気に入り。古野さんの哀愁を帯びた押えた音色は、曲の底のほうで海のように大きくやさしくゆれている感じだ。
赤坂さんのHP(タイトルをクリック)を見ると、いろいろなところで演奏しているようなので、お近くでライブはあるときは是非!

2008年10月17日金曜日

だんだん

いくらなんでも家族に双子の入れ替わりがわからないわけがないよね~、と思いながらも、いや、これはTVだからもしかしたらボケまくってくれるか、とも期待していた。そのボケ役は、案の定バンド仲間のこうたクン&夕闇が邪魔したか蕎麦屋の祖父母、ま、このくらいで終わらせるのが朝ドラらしいかな。どっこい、なかなか良かったのは入れ替わっためぐみとのぞみに出会ったときの、吉田栄作、石田ひかり、三林京子、藤村志保の表情。

吉田君、若い時はなんだかこっぱずかしくってまともに見られなかった。「俺はビックになる!」なんて言ってたような、いないような・・・。しかし時は過ぎ、ちょっと前に久し振りに”ダイヤモンドの恋”を見た時、役者として難しい年齢なのにいい風に年をとった、と半分くらい直視できるように。
しかし、三林さんは和泉雅子さんと一緒に路線がかわってしまったなぁ・・と、私の独り言。

さて、お父ちゃんは、シジミと家族を捨てて単身大阪でボクサーを目指していた。なんや、ドラマティックな展開どす。まだまだ続きがあるって竹内さんが言ってたから、明日が楽しみだ。

そして、アミとユミの区別がつかない私にも夢花とめぐみの区別はついた、よし。しかしマナとカナはどっちと言われると・・・。

2008年10月15日水曜日

甘苦上海 (15)

ドアの向こうのヒトをモノにしようと、夕日を味方に付けて部屋に入った紅子さんであったが、やっぱし、若い地元の先客がいた。彼の名は京。彼はゲンキンにも若い娘をさっさと追い返して、紅子さんを大胆にもベットに押し倒したまではいいけれど、お金の話などでなんだかウヤムヤになり、ふたりでお酒を飲みに出ることになった。

「京さんお見通しのように、わたし、京さんを欲しいと思って、それでアパートまでいったんだけど、(そんなにすぐ言っちゃっちゃあだめよ。)京さんとセックスしても、そんなことで京さんを手に入れたことにはならないって、解ってきたわけで・・・」
 アルコールが身体に入ると、頭脳の血の巡りも良くなるのだろうか。(いや、そんなことはないと思う)言葉にしながら、わたしはわたしが感じていたことを、ひとつひとつ確認していく。
「ああ、なるほど。」と京は、私の言葉を咀嚼している。(咀嚼するほどの話でもないと・・)お酒で濁り始めた眼は、」遠い場所を泳いでいる。(ほら、もう目も泳いじゃっているようだし)
(中略)
(京)「・・・、とりあえず、そういう関係になっておいて、この男がはたして、それだけの価値があるかどうかを、ゆっくり考えてみればいい。それで何か、損はありますか?」わずかな身構えもない、素直なまなざし。(ついさっきはお酒で濁っていたはずなんじゃ・・)植物の茎を向いたような、生々しい美しさがある。(いったい何の植物であろうか、フキか、ウドか?)
「私が若い未婚の女性だったら、そんなことは言わないでしょう?」
「そうですね、言いません。(そ、そんなあっさりと・・。)未婚女性には、結婚とか、妊娠とか、人生の面倒なストーリーがくっついてくるから、損得勘定が単純ではなくなる」(あのね~、既婚だったり中年だったりしたらもっと面倒よ~!)
「でも私は、面倒なストーリーがない、(え、えっ!同調するか?)つまりそれって、関係が下半身で楽しめるかどうか、すごくわかりやすい話しなわけね」「そういうことです」
なんとすっきりした考えだろう。(って、いうかなんて言うか、ちょっと~!)ここで妙に感心してはいけない。(そうです、おっしゃる通り)

・・・というわけで、ほろ酔い気分の中継、終わり。ここまで約2週間。上海現地時間ではまだ1時間くらいしかたっていない模様。

2008年10月14日火曜日

ゲット・スマート

「40才の童貞男」、アメリカ版「The オフィス」でまじめなボケ顔が愛らしいスティーヴ・カレル。テレンス・スタンプ、アラン・アーキンの熟れきった渋顔も素敵。アン・ハサウエィはきれいでかっこいい。

60年代のTVシリーズの映画化。メル・ブルックスのギャグの世界。こうなるんだろうなと思った通りになるのに、やっぱり笑わされる。しかも60%くらいのツボの押さえ方で、おかしいんだか、ばかばかしいんだか、なんだかね、という笑いの境界線をさまよう。その境界線を超えるか超えないかは観客の人生経験だの趣味だのに任されていて、ハマると120%笑える。60%ゆえに下ネタさえも完全に落としてしまわず上品な下品になる(?)。スティーブ・カレルのコクないスマートさも映画をウルサクしていない。

家族でウケたギャグのすり合わせをしたら、それぞれ目の付けどころが違っていた。あるシーンを見て笑っているうちにたたみかけるようにギャグが続いていて、見逃しちゃったりしてるのだ。トムとジェリーやらバックスバニーを、笑うために何度も見ちゃうような人にお勧め。DVD買っちゃおうかな。

2008年10月10日金曜日

落ち着かないハシビロコウ


学校の振替休日、平日で雨の上野動物園。

お目当てのハシビロコウ君はすぐそこでこっちを向いて立っていた。”動かない鳥”で有名、写真を撮り放題かと思いきや・・。目が合うや否やこちらの微笑みの完了も待たず、ブゥ~ンと反対っ側に飛んで行ってしまった。何で何で?と飛んでったほうに移動するとまたブゥ~ン。とった写真は後ろ脚だけとか、羽根の先っぽだけとかばっかし。(ハシビロコウ君の動く姿はタイトルをクリック。)

そのうち「あんた、なによ。」みたいな一瞥をくれてから、ホントーに厭そうな顔をして、しかも足早に歩いて木の蔭に行き、動かなくなってしまった。あの大きなくちばしも隠れるほど完璧な角度でこちらにおしりを向けて。かなり嫌われたようだ・・・。クスン。しかもあとの4匹は小部屋に入ってるらしく、おしりさえも拝めず。

(紳士服のポスターのような(メスだったらごめん)写真はウィキベディアから)

しょうがないから、くまさんを見に行った。そしたらマレーグマがケンカ中(と思う)。正確に言うと1匹がとてもあれて他の2匹を蹴散らしていた、というべきか・・・。どこかの家庭で見たような風景だ。雨の日はみんな機嫌悪いのかな?同情。

結構降りも強くなってきたので、早めに切り上げて精養軒のカレーを食べに。カレー好きのワカ、スプーンまでしゃぶりつくすその姿を見ていると、なぜか先ほどみた猿山が目に浮かんだ。

2008年10月9日木曜日

緒方拳 in MISHIMA

Mishima: A Life in Four Chapters(ポール・シュレーダー監督:1985年)では日本映画とは違った角度から、名優緒方拳さんを見ることができる。この映画は三島家のご遺族との関係か何かで(とアメリカでは書かれている)日本未公開に終わった。おそらく国内ではビデオもDVDも発売されていないと思う。

ロイ・シェイダーのナレーションとフィリップ・グラスの曲が流れる中、「金閣寺」「鏡子の家」「奔馬」の三つの作品にドキュメンタリー風な三島由紀夫自身の話を織り交ぜていく。三作品では坂東八十助、佐藤浩市、沢田研二、永島敏行が出演。素晴らしい脚本は、俳優の真の実力をこうも引き出すものかと驚かされる。そして、緒方拳さんはドキュメンタリー風のチャプターで市ヶ谷駐屯地での籠城・割腹自殺に至るまでの姿を演じている。そこには緒方拳さんの顔の皺の動きひとつも無駄にしない鬼気迫る姿がある。三つの物語がそれぞれ彼の人生の伏線であるかのように破壊、死に至るところで、緒方さん演じる三島由紀夫もクライマックスを迎える。理想の高さ、潔癖さ、弱さ、古さ、アロガンツなどすべての感情を余すところなく緒方さんは演じきっている。

この映画で三島由紀夫の”様式美”に対する解釈-カメラ、セット、音楽、衣装-には舌を巻いた。それだけに三島家のご遺族にはつらい映画なのかも知れない。”フィクション映画”として作品をとらえず、彼の”思想”や”趣味”をいいように解釈し、映画が独り歩き始めるかもしれない不安はぬぐい去れない。しかしすぐれた作品とは人間の普遍的なものを表現しているという立場に立ち、このように完成度の高い映画、また、緒方拳さんの渾身の演技を日本で見られないのは何とも残念な気がする。

2008年10月8日水曜日

ノーベル賞

宇宙の成り立ちに必要な素粒子であるクオークがまだ3つしか発見されていなかった時代に、6つのクオークがあれば宇宙の成り立ちが証明できるという論文を発表したそうだ。

電子顕微鏡でも見られないクオークというものを想定して宇宙を考える。サイズもその時間も広さも桁外れに小さくて長くてそして大きい。すべてはこの素粒子から始まって私達も存在しているわけで・・・、考えただけで気が遠くなりそうだし、なんだかコワイ。

益川敏英さん(68)は論文発表から実に35年後の受賞に「たいしててうれしくない、2002、03年に我々の理論が証明され、科学者としてはこれで終わったこと。あとは社会的現象です」と至極まっとうなお話。しかし南部先生との同時受賞について聞かれると、自分の研究の出発点である南部先生の話をしながら感極まって言葉が詰まり、そしてそのことについては「うれしい」とハンカチを目にあてる。

論文を発表した当時、益川さんは上司に社会との接点なしに科学の勉強も成り立たないと、大学でのの労働組合の役員をしながらこの論文を書いたということ。そして、考えるときは散歩しながら、とにかく歩きながら考え続ける。何者にも邪魔されないスポイルされた環境よりも、雑音の入る世界で仕事をする大切さを言われていた。

私はまったく物理学はわからないけれど、わからない世界のことを頭の中で空想しその果てしなく遠い世界に思いを馳せることはある。他にいい言い方はないのかと考えたけど、あえて言っちゃうと”純粋なロマン”を感じてしまったのである。

2008年10月6日月曜日

イグ・ノーベル賞

10月3日の日経22面のすてきな記事

ハーバード大学で10月2日、今年の授賞式があった。北海道大学の中垣俊之准教授ら6人が、「真正粘菌」という単細胞生物が迷路の最短距離を導き出すことを発見して、認識科学賞を共同受賞した。三センチ四方の迷路の入口と出口に食べ物を置いておくと、脳も神経もない粘菌がなんと最短距離で迷路を進むらしい。「単細胞=頭が悪い、ではない」と中垣氏はあいさつ。ありがとうございます。

平和賞は”植物にも人間と同じような尊厳がある”との考えを推進する、スイス政府の生物工学に関する倫理委員会とスイス市民が受賞。これにはふか~く同意。植物にクラシック音楽を聞かせると成長が早いとか、結構知られた話も身近にある。神社のご神木なんぞは人間通り越して神様だし。

話がずれるけど、ずっと前、ある男の人が”植物の気持ちを知る機械”(だったっけか?)を開発したというのをTVで見た。ちょっと記憶があやふやなのだが、その機械はバウリンガルのように植物のお話を翻訳するわけではない。ワイヤーを植物に巻きつけるかなんかすると、ワイヤーのもう一方をつないだアナログの電流計みたいな機械から植物の”キュイ~ン”とか”ジジジジ・・・”いう鳴き声(ほとんどノイズ)が聞こえてくる。いろいろ鳴き声を聞かせてもらったけど、その中で忘れられないのが大根。まな板の上の大根さんをバッサリときると、周波数が合ってないラジオの音量を大きくしたような”ギャイ~ン”という金切り声。い、痛がってる・・・。それを見てからというもの、しばらく野菜を切る時に「失礼します。」と挨拶してから料理した。

話をイグ・ノーベルにもどしてっと。そして生物学賞は、”犬に寄生する蚤は猫に寄生する蚤よりも高くジャンプする”ことを突き止めたフランスの研究家。・・・楽しい。

なんかいいなぁ、一生懸命学問する人間って。

2008年10月4日土曜日

かわいそうなぞう


土家由岐雄さんのノンフィクション童話。戦争中の上野動物園で市民の安全のために餓死させられたぞうさんのお話で、多くの人が一度は読みそして涙したに違いない。ああ、思い出しただけでも、うるうる・・。
長年終戦記念日で朗読を続けていた評論家・秋山ちえ子さん、その朗読は2005年に終わってしまったが今年8月にCD化された。その英語翻訳版をシンディー・ローパーさんが朗読している。昨晩NHKで来日したシンディーー・ローパーさんのインタビューを見た。

政治家ではないので歌で平和を呼びかける、また、戦争は絶対いけないと。そして「かわいそうなぞう」の朗読をとインタビュアーに頼まれ、まさにぞうさんが餓死し、飼育員がその体を抱きながら戦争が終わることを叫ぶ場面を、あのハスキーな声で静かに読み進むうち、涙で声が詰まってしまった。

90歳を過ぎ、なおかくしゃくとした秋山ちえ子さんに会う。秋山さんに誠心誠意礼を尽くしたシンディーの姿を見て、彼女がどれだけこの絵本に心を動かされたかがよくわかる。アメリカでの売り上げはすべて上野動物園に寄付されるとのこと。

2008年10月1日水曜日

甘苦上海

昨日から日経朝刊で連載開始。今日は2回目。
主人公早見紅子が上海で誰かを訪ね、ノックしたらハイと返事があった場面。

この声の主を私のものにする。ここまで来たのだから、逃げない。やり遂げた数々の仕事上の困難と同じに、今回もきっと上手くいく。
 ドアが開けられるまでの数秒間、両手で眼尻と目の下のたるみを押した
 51歳の肌は磨きあげたばかりだ。夕陽を味方にし、背中に受けて立てば、しわやたるみも目立たない。ドアを開けた瞬間、39才の男の目を奪いこのアパートに似つかわしくないほどに洗練されて映るには、無表情でいたほうがいい。私は表情を捨てる。”

仲良しのお友達として言っちゃう。まず、この声の主をちゃんと確認してから、私のものにしよう。お父さんが来てるかも知れないし。それから数秒間しかないのに、目の下押したらだめ、戻ってこないかもしれないわよ。夕日か・・、それより眩しくてしわやたるみどころか目も鼻も見えなくなるかも。しかし、訪問時間も計算済みなのは褒めてあげよう。 理性は捨てないように。

これから毎朝楽しみだわ、わくわく。