2011年2月7日月曜日

ザ・タウン The Town

ワルモノ4人組
ボストンのチャールズタウンに生まれ育ったダグ(ベン・アフレック)、母は行方不明、父は監獄にいる。アイスホッケー選手の道をあきらめ、幼なじみと銀行強盗を繰り返す。あるとき周到な準備をしたにもかかわらず、やむを得ず一時的に銀行のマネージャーのクレアを人質に取って逃走することに。強盗はしても殺人はしないオキテだから人質クレアを解放、しかし彼女とは同じ街の住人だったことから、自分たちの正体に気づかれたかもしれないと不安がよぎる。銀行に押し入った時、クレアに一目ぼれしてしまったダグは、仲間には探りを入れるためと言いつつ彼女を見張る。そんな状況に限って偶然クレアが声をかけてくる。FBIはダグのグループへの包囲網を狭めてくる一方、ダグはできることなら足を洗ってク レアと新たな人生に踏み出したいと思うようになる。そこに元締めの花屋・ファーギー(ピート・ボルスウェイト)が非情な圧力をかけてくる。

ベン・アフレック監督作品。評判は上々、批評家も軒並み好意的。私にとっては例えば、「LAコンフィデンシャル」や「ユージュアル・サスペクト」のような作品で、一緒に「これはいい!」と言えない、なぜだか考えた。

「ローマの休日」なぜ王女様が新聞記者に恋したのか、グレゴリー・ペックだから。「ノッティングヒル」でなぜジュリア・ロバーツが古本屋の店主に恋をしたのか、ヒュー・グラントだから。例えが今一つだけど、言いたいのは、クレアがダグに惹かれた場面にケミカルリアクションを感じなかったのね。ベン・アフレック君はどんな恰好をしていても、なぜか”大会社のサラリーマン”に見えてしまうのだ。ま、これも好みの問題かな。銀行強盗自体はとってもハマっていると思うし、彼がクレアに一目ぼれのシーンもいいから。

監督としては、どのキャラクターも大切にし、ストーリーの要として丁寧に扱っている。これが遺作になったピート・ボルスウェイトや、クリスタ役のブレイク・ライブリーなどは素晴らしい。途中で出てくるなんとなくポエムっぽくて恥しいクレアのセリフも、しっかりと最後に映像の中で生かされている。

悪の中の善、その善を理解しない善との戦いが、観客を悲しませない形で終わるのは、うれしい。

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